『ヨ〜リヨ〜リダヨリ』奄美人.com編集便り(ブログ)

HOME > イベント・ライブ > イベントレポート > 奄美の風が六本木ヒルズに響き渡った日

奄美の風が六本木ヒルズに響き渡った日

<8月5日土曜日、6日日曜日>
本格的に夏が到来し、猛暑となった8月最初の週末。今や時代の中心とも言える六本木ヒルズで、「六本木ヒルズホリデーコンサート“うがみんしょれ〜奄美の島唄〜”」と題し、朝崎郁恵さんを始めとする唄者たちによる奄美島唄コンサートが2日間を通して開催されました。


会場であるアリーナは、六本木ヒルズの中央にある、都市型の野外エンターテイメントスペース。円形ステージ(噴水にもなる)と巨大な屋根の下に、160の席が用意されました。誰でも無料で見ることができ、たくさんの人たちに奄美の文化を知ってもらう大きなチャンスでもあります。



会場の後方では、奄美の物産や唄者のCDなども販売し、東京奄美会の青年部の皆さんにもボランティアでお手伝いしていただきました。
またイートインコーナーでは、中野の居酒屋『ほこらしゃ』が出店。鶏飯を始め、油うどん(普段はそうめんですが、夏場は傷みやすいのでうどんにするそうです)、おつまみ3点盛り、ウコン入りの奄美カレーなどを出しており、なかなかの盛況ぶりでした。


コンサートは14時、16時、18時の3部構成で、それぞれ45分程のステージとなりました。


■14:00の部
まったりとした昼下がり。第1部の始まりは、山下聖子と松崎博文、新原恭子による「朝花節」です。ビルの谷間に、ゆったりとしたリズムで三味線と奄美の島唄がこだまして、通りすがる人々が不思議そうな顔でステージを覗いていきます。






3人は「よいすら節」「芦花部一番節」「うらとみ節」など、解説を交えながら順に唄っていき、会場を埋める人の姿も徐々に増えていきます。奄美ファンを始め、たまたま足を止めたカップルやファミリー、外国人の姿もあり、皆興味深そうに見ていました。ビル風の吹きずさむ都会のど真ん中で聴く島唄に、情緒はあまり無いものの、伝統文化の紹介としてはいい場だったのではないでしょうか。ただせっかくなので、2日間を通してもう少し奄美について知らない人たちへのアピールができたらよかったなあと思いました。


■16:00の部






太陽が西に傾きかけた午後。チヂンを叩く新原恭子を先頭に、八月踊りの踊り手たちが一列になって元気よく登場しました。第2部の始まりです。十五夜会、旧朝崎会(※)、奄美会青年部、奄美会女性部ら総勢約30名が、破着ん(やれぎん)に身を包み、カケロマの花富の八月踊りを唄いながら中央の客席を丸くとり囲んでいきます。お客さんは視線をどこに向けていいのやら…といった感じで皆一様に落ち着かない表情でしたが、踊りはどんどん盛り上がっていきました。5曲ほどを踊ったところで、今度はひとりづつ輪から離れていき、全員がはけると同時に、ステージでは松崎博文と山下聖子の歌が始まり、うまい具合にステージが展開していきました。
そしてタナカアツシの三味線で朝崎郁恵さんが登場。「朝花節」を唄い、続けてシタールのヨシダダイキチ、ピアノの江原啓太(5日)、チヂンの弥一郎が加わって、新バンドでのメドレーが始まりました。
特に6日は金子哲也らのインドの民俗打楽器が加わり、より不思議な世界をつくりあげました。


通りすがりのインド人のおじさんやおばさんが、ステージを凝視していた姿が印象的でした。きっとものすごい衝撃だったと思います。インドで、三味線を伴奏にインドの民謡を歌うのを見るのと同じですからね…。ここでひとつの国境を越えた文化の交流が実現していると思うと、六本木のど真ん中でやることにまた違った側面での醍醐味があります。
朝崎さんは「千鳥浜」「豊年節」などを熱唱し、最後はやはりお約束の「六調」です。八月踊りのメンバーたちも参加して、会場を巻き込み、盛り上がりました。奄美の島唄にはやはり踊りは欠かせません。初めて見る人たちにも、印象に残ったに違いありません。
16_4_band.JPG



■18:00の部
空がやわらかなオレンジに色を変え始めた黄昏の刻、第3部が始まりました。タナカアツシの三味線を伴奏にした「一切朝花節」でスタートです。朝崎さんは素敵な青い衣装で登場。両日とも会場は満席で、熱気がありました。
徐々にイルミネーションがともり、着飾っていく巨大なビルの中で唄う朝崎さんの姿が、なんだかとても不思議な感じでした。ついこの間、朝崎さんがカケロマ島と海を背に唄った時は、島唄が自然に溶け合いすうっと体に染み込んでくる感じがしましたが、この深いビルの谷間で聴くと、島唄がビルの高い壁を這うように昇華していくような感覚を覚えました。

18_6.JPG

5日はシタールのヨシダダイキチ、ピアノの江草啓太、チヂンの弥一郎が加わり、メドレーで「千鳥浜」「いとう」「東上立雲」「豊年節」などを熱唱。最後は「六調」で盛り上がり、アンコールの「おぼくり〜ええうみ」でしっとりとステージは終了しました。







6日は、黒木千波留がピアノで参加。「はまさき」「あまぐれ」「いきゅんにゃかな」を熱唱する朝崎さんの声が、切なげなピアノの旋律に乗って六本木ヒルズに響き渡りました。恐らく、そのとき通りかかった人たちのほとんどが、思わず足を止めてその唄に聴き入ったことでしょう。ほんとうに素晴らしかったです。
続けてシタールや打楽器が混ざっての「豊年節」、そして最後は「六調」で盛り上がりました。


18_6_2.JPG

アンコールでピアノをバックに「おぼくり」、そして「ふるさと」を唄うと、客席では涙をぬぐう人の姿が見えました。若い人もお年よりも、この唄を聴いて感動しない人はいないのではないでしょうか。何度聴いても胸にじんときます。ここでこの唄を聴いたすべての人たちの心に、きっと何かを残したことと思います。

こうして、2日間にわたる6ステージが終了しました。遠くからわざわざ見えた方も、たまたま立ち寄った方も、きっといい思い出になったのではないでしょうか。これからもこういった機会がどんどん増えるといいなあと思います。

※旧朝崎会…1980年頃から1998年頃まで活動していた、朝崎さんの教え子の八月踊りの会。国立劇場で10年間連続踊ったほか、ニューヨークのカーネギーホールやロサンゼルス、キューバのコンサート等で踊る。

□朝崎郁恵ライブスケジュール


トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.amaminchu.com/mt-tb.cgi/203

コメントを投稿

「誰が書いてるの?」

当ブログは「あまみんちゅドットコム」を運営する「あまみんちゅドットコム事務局」のメンバーによるものです。

メンバー紹介

あまみんちゅドットコムとは?

あまみんちゅドットコム」は、本土発信の奄美に関する総合情報サイトとして、平成18年2月28日より本格稼働しました。 奄美群島と本土の橋渡しとして、奄美在住者と本土在住の奄美出身者(あまみんちゅ)たちの輪をつなぎ、奄美の素晴らしを伝えていく「奄美ポータルサイト」を目指しております。

奄美情報募集!

より多くの奄美の情報を提供するため、皆様からの情報もお待ちしております。「あまみんちゅドットコム」に掲載したい奄美情報や、紹介したい奄美の情報がありましたら、どしどしお寄せください。

URL:http://amaminchu.com
E-mail:imore@amaminchu.com

過去記事

2008年
2007年
2006年

奄美大島検定