『ヨ〜リヨ〜リダヨリ』奄美人.com編集便り(ブログ)

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クラッシックな気分

10月28日(土)、東京奄美会芸能祭を取材してきました。普段シマ唄のことはよく語られているので、ここでは今回演奏されたクラッシック部門から、ちょこっと、感想と四方山話など…。

レポートの中でも触れていますが、ヴァイオリニストの久保陽子さんは超一流の演奏家です。久保さんのヴァイオリンの音色は、一瞬ヴィオラの音色かと感じるほど、奥深い柔らかさと渋みがありました。
今回演奏された『アヴェ・マリア』は、知らない人は居ないだろうというくらい有名な曲です。シューベルトがイギリスの詩人ウォルター・スコットの「湖上の美人」の中の7つの詩の第6曲「エレンの歌・第3」に作曲したもので、少女エレンが湖畔の聖母像に、父親の罪の許しを願って祈るという内容です。まさに優しさに満ち溢れた曲ですね。久保さんの高度な技術に裏付けされた、情感豊かな表現。その卓越した弦さばきに、すっかり引き込まれてしまいました。
サラサーテの『ツィゴイネルワイゼン』では特に、そのダイナミックなメロディーを体から搾り出すような演奏で、シャッターを切るのを忘れるほどでした。聴き慣れたフレーズも、久保さんの奏でる音には違う何かが宿っているようで、本当に素晴らしかった。今まで聴いてきたどのヴァイオリンとも違う感じで耳に滑り込んでくるようでした。ちなみにこの曲は、ハンガリー民謡の要素をいくつか組み合わせて作られたもので、「ジプシーの歌」という意味だそうです。確かに悲哀や情熱がこもった曲ですよね。サラサーテはスペイン生まれであることから、ジプシーには身近な気持ちなどがあったのかも知れません。

さて、久保さんのハズバンドでピアニストの弘中孝さんの独奏は、モーツァルトの『きらきら星の主題による変奏曲』でした。これは誰もが知っているお馴染みの曲。元はたった12小節の単純なテーマが、12の変奏によって構成されていて、いつまでもいつまでも続きそうな感覚を覚えます。無数のアレンジが可能な、優れた1曲と言えると思います。『きらきら星』はもともとフランスの曲で、母親にこっそり恋を打ち明けるという曲だそうです。星とは全く関係無いとは、意外ですね。弘中さんの演奏も素晴らしかったです。

今回の豊島会館は古く、その音響は決してクラッシックに向いているとは言えないものでしたが、演奏は大変素晴らしかったです。それだけに、最高の音響設備が整ったホールでもう一度聴いてみたいという思いを強く抱きました。芸術の秋です。時にはクラッシックで心を潤してみるのもいいですよね!


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